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数分間のエールを
何かをつくったことはあるものの、この映画の主人公たちほど真剣に打ち込めなかった自分には、遥かに眩いと感じた。彼方と先生とのものづくりに対する感情にすれ違いがあったシーンで、彼方の先生に対するまっすぐな自分の気持ちを表明する一方で、先生やトノが感じている挫折感が存在している、その交わらないねじれに切なさを感じた。
劇伴は素晴らしく、かつ最終版の「未明」のMVも大変よかったと思う。Twitterでものづくりをやっているひとはみたほうがいいといったツイートを見て、そのあらすじ等には触れずに観にきたので、冒頭の彼方が「MVは曲への応援なんだよ」と言ったところでタイトル回収されてるんだなーと思ったのだが、終盤でMVだけでなく歌うことそのものも数分間のエールだよなあと感じた。
また、全体的にポップな絵作りがなされており、色遣いが心地よい。背景やキャラクターの髪の毛のシャドウなどのテクスチャもよく、また、途中途中CGではないような(原画と動画で動かしているような)コマ撮りのシーンがあり、それも緩急を作る点出会ったと思う(技術に詳しくなく、誤った解釈だったら申し訳ないです。)。カメラワークについても、一人称視点では没入感があり、足元から写し俯瞰しているトノだけが見えるシーンなど、行間を表現することに一役買っているのではないかと感じた。
この映画はハッピーエンドの点もあったが、現実は厳しい。彼方のような真っ直ぐな気持ちが時に挫折した人間を傷つけることもある。人間は難しい。
ただひとこと、この映画を見てひとつやっていきたいなと思えることは、彼らのように何かに真剣になってみたいということ。真剣に、自分の全部を賭けて感情を乗せること、それはきっと体力の要ることだと思うので早めに挑戦したい気持ちになった。
数分間のエールを
自分自身3DCGを学んでいる身で、業界で話題になったとのことで今作を視聴しました。ストーリーはキレイな起承転結でまとまっていて、60分ちょいと映画作品にしては短めではありますが、主人公とクリエイターを目指す自分とが重なったりしてグッと来た作品でした。映像そのものの感想ですと、セルルックでかつ水彩で描いたような爽やか・鮮やかな配色と絵柄がとても素敵でした。青春なテーマにとてもピッタリです。また、1番印象に残ったのが光の表現でした。光がもたらす空気感が半端なかったです。影と光で表される主人公の心情も、わかりやすい表現ながら秀逸なまとまりがありました。
クリエイターを目指している身から、映像技術的に吸収できる部分も大いにあり見応えある作品でしたし、内容もクリエイターなら必ずぶつかるであろう心のゆらぎを上手く描いていて、モノづくりをしている人は必ずと言ってもいいほど主人公が自分に重なるタイミングがあると思います。
久々のアニメ映画でしたが、とにかく映像がキレイ!それだけでも観る価値アリです。
シネマ・チュプキ・タバタ様、良い作品をありがとうございました!
数分間のエールを
何度観ても感動できるいい作品。絵も音も何もかも最高の作品だった。館内も素晴らしく音がとても心地良いものだった。また来たい、また見たいと思える映画で映画館だった。
数分間のエールを
MV、音楽、美術が取り上げられていますが、モノづくり全般を志す人全員に向けてエールを送る作品です。作ったモノが認められない苦しみや挫折に目を向けつつ、それでも誰かには届くんだ、というメッセージを感じました。
私はMVではないですが映像制作の経験があるので、この映画では織重先生のような、原案の人に納得してもらえない苦しみや、自分の作った作品を人に届けることの難しさがひしひしと伝わってきました。そして、それを乗り越えて、MVを先生の納得する作品に仕上げつつ、朝屋くんの作風を残した作品に仕上げたのが、朝屋くんの成長を感じられて感動しました。
また、興が乗ると徹夜するとこや試作しつつ試行錯誤するとこにとても共感しました。
また、映像の画角やシーンの切り替えが、普遍的なアニメとは違う印象があり、MVのような演出で、ラストに流れる「未明(劇中歌)」のMVを本編全体で披露しているように感じました。
初めてCINEMA Chupki TABATAさんに来たのですが、座り心地がよく、音も劇場よりも立体的に聞こえてきて、小規模だからこそできる音の表現を味わえました。織重先生の歌の迫力!
字幕があってセリフや情景描写がわかりやすかったです。加えて、EDの歌詞字幕があることで、漢字付きで聴くことができたので、本編後すぐの、劇中の記憶が新しいうちに、歌詞の意味を噛みしめ、より深い映画体験ができたと思いました。機会があれば絶対に再訪したいです!
数分間のエールを
私は菅原圭さんの歌声が好きでこの映画を拝見しました。始めのシーンからその歌声に鳥肌が立ち、開始早々涙が出ました。アニメーションも素晴らしく、この映画を見終わった際には心が前向きになった感じがしました。そんなエールをくれるような作品でした。
以下ネタバレありです。
改めて始めの路上ライブのシーンを考えると、新しい路に進む自分を前に、音楽の路を諦めたくない自分に対して「行進を止めないでいて」と言い聞かせていると思うと、雨の中、ましてや赴任前日という最後の最後まで必死に足掻いていたんだなと終わったあとにわかり、音楽の路に戻る決意ができて良かったなと思いました。