10/8(日)『もうろうをいきる』西原孝至監督舞台挨拶

10月8日(日)、シネマ・チュプキにて『もうろうをいきる』上映後に、西原孝至監督をお迎えしてトークショーを開催しました。

10/8(日)『もうろうをいきる』西原孝至監督舞台挨拶

ゲスト:西原孝至 監督 (西原)
進 行:和田浩章…CINEMAChupkiTABATA代表(-)

-では、準備が整いましたので『もうろうをいきる』の西原孝至監督です。盛大な拍手でお迎えください。

(会場拍手)

-まず、この映画を撮ったきっかけというか…どのような経緯でお撮りになったんでしょうか?

西原:はじめまして、西原です。今日は宜しくお願いします。去年の春までは、障害のある方の知り合いだったり、つながりは僕自身にはあまりなかったんですけど、映画のバリアフリー上映会、まぁ、今日もそのようなかたちですけど、その、盲ろうの方が映画を楽しむという会に僕がお邪魔する機会がありまして。そこではじめて「あ、こんな世界があるんだな」って思ったんですね。で、去年の今と同じ時期ぐらいに、映画会社のシグロの方が、バリアフリー上映を15年くらい取り組まれてたりしてらっしゃったので、一緒に盲ろう者の日常というか、どういう思いがあって、どういう生活をしているのかって、広く知ってもらいたいなぁというのがあって、この映画はスタートしたんですね。

-そうだったんですね。監督がそのバリアフリー映画祭に行かれた際に何か思われたことがあったんですか?

西原:字幕をつけたり、音声ガイドをつけた完全なバリアフリー版を観たのがはじめてでした。それで、これは映画に出られてた福島智さんもおっしゃってましたけど映画って、視覚と聴覚で観るものだから「僕らは誰に対して映画をつくってたんだろう?」と考えましたし、音声ガイドで、観る側の世界が広がるっていうのもあるだろうし、耳が聴こえない人で、字幕を頼りに観ていただくこともあるわけだし…いろんな方に映画を楽しんでもらうにはどうしたらいいだろうと。僕も一番最初に考えながら撮影していきましたね。

10/8(日)『もうろうをいきる』西原孝至監督舞台挨拶

-その中でどういう基準で出演される方々を選ばれたんでしょうか?

西原:出演された方に関しては、僕自身と全くつながりがなかったので、高田馬場に全国盲ろう者協会という、全国各地に暮らしていらっしゃるみなさんをまとめてる協会だったり、まあ、東京には他に盲ろう者友の会というのもあるので、そこへ足を運んで皆さんとお話させてもらったり、またはこの映画の企画者の大河内直之さんという東京大学の教授の方がいらっしゃるんですけど、その方なんかもう本当に20年来の盲ろう者の支援をされている方なので、そういった方々にご紹介いただきながら…皆さんメールはできるので。僕が送った文章が点字になるっていう機械を使ってやってました。

-すごいですねぇ。

西原:それを通して、皆さんチャットくらいの感じですぐ返ってくるんですよ。そこでまぁ、普段電話で取材をかける時のようにメールで、すごく密に「こういう者です」って(笑)そして「お話をうかがわせていただけませんか?」ってメールで最初やりとりさせていただきました。

-いろんな各地に行ったりとか、年齢層が幅広く撮られていたりというのも、企画段階から考えられていたことなんですか?

西原:そうですね。僕も含めてですけど、シグロのプロデューサーの小町谷さん等、さっきも言いましたけど盲ろう者の中では有名でスーパースターのような存在の福島さんがいるんですけど、今まで日の目を見なかったというと変なんですけど、なかなか盲ろうの世界が注目されなかったというのもあるから、これまでそういった撮影を受けて来なかった方だったり、地方で頑張って暮らしてらっしゃる方だったり、そういった頑張っている姿っていうよりかは、日々淡々とどういう風な暮らしをされてるか。そこには確実に悩みがあったり、逆に喜びもあると思うんですけど、そういったことを丁寧に、記録していきたいなぁと思いました。

-本当に押し付けがましくなく、すんなりとそれがいとなみに繋がっていて、自分の心と向き合っているなと僕は思ったんですけど、これ、どのくらい撮影されたんですか?

西原:撮影自体は、一番最初の全国盲ろう者大会というのが年に1度8月にあるんですけど、それが去年は北九州で、今年は石巻のほうで。石巻でも映画館で上映する前に先行上映というのをお披露目してきたんですけど、去年の8月から、今年の1月2月くらいまでですかね。約半年間です。

-半年?

10/8(日)『もうろうをいきる』西原孝至監督舞台挨拶

西原:まぁもちろんずっと撮影しているわけではなく、1人につき3泊4日みたいな撮影を一回一回やっていったというかたちで、あと東京近郊の方は、何度か通って、というかたちで。

-そうだったんですね。で、3泊4日の中では撮ったものがちょっとしか使えなかったところもあったんだろうなと思うんですけど、まだまだいっぱい撮りこぼしたというか、入れられなかったところってあるんでしょうか?

西原:そうですねー。僕の性格なのかもしれないんですけど、映画を撮影する前に、例えばヘレンケラーが、「water」という言葉を発見した有名なエピソードがありますけど、そういう劇的なシーンというよりかは、本当にどういう風に生活しているのかとか、どういう料理作っているとか、どういう風に洗濯物を乾しているのか、とか。どういう風に夫婦の会話をしているのかとか、そういうところを見たいと思っていたので、映画の中の些細なシーンはいろんな方を撮影させていただいたんですけど、料理食べてるところ多いですね、とか、冗談なんですけど(笑)その辺はやっぱりバランス考えて編集したので、8人の盲ろう者を撮影させてもらったんですけど、8人の生きてる姿を観ていただくことで、何かそのひとつの盲ろう者というものの世界を知ってもらえたらなあと感じています。

-どれも印象深いと思って…ちょっと聞くのもあれなんですけど、印象に残っていることを聞かれたらなんて答えますか?(笑)

西原:結構この質問が多いので答えは準備してあるんですけど(笑)

(場内爆笑)

西原:印象に残ったシーンと、印象に残った言葉で話したいんですけど、印象に残っているシーンは、やっぱり一番最初の遠目塚さんという宮崎に住んでいらっしゃる方のご自宅にお邪魔した撮影がはじめてだったんで、洗濯物を欲しているところが一番衝撃を受けたというか、当たり前なんですけど目が見えなくてよくできるなぁって。

-いやぁ、本当に思いましたそれ。

西原:それが第一印象で、だからそれがやっぱり目が見えなくなっても、ルーティンでいろんな所にあれがあってこれがあってとか、感覚で掴まれているからできることだと思うんですけど、それはすごくその・・・逞しいなぁっていうか、強さみたいなのを感じたので、宮崎の遠目塚さんのところはそうでしたね。

-こっちも穿(うが)った目で見てたんだなぁっていうことにすごく気付かされるし、自分のそういう弱いところとか、汚いところも少し見つつ、一番最初から心を「ぐいっ」と掴まれましたね。

西原:あと一番印象に残った言葉が、この中で一番障碍が重い貝嶋麗奈さんで、てんかんも持ってらっしゃるんですけど、彼女の妹の優紀さんがインタビューに答えてくれて、一番最初はお母さんとやりとりしてたんですけど、お母さんは「妹は引っ込み思案だから、多分インタビューは受けてくれませんよ。」と言われたんですね。

-えっ!?しっかり答えてらっしゃいましたけど(笑)

西原:(笑) 夕食の様子を撮影させていただいた後に、優紀さんに「せっかくなんでお話聞かせてくれせんか?」とインタビューさせてもらったんですけど、その時に「姉は私のことを妹と認識しているかどうかわからないけど、今姉の代わりはいないんです。」言ったんですね。すごく重い言葉だなと思って。映画の中でも少し触れたんですけど、相模原の津久井やまゆり園事件の容疑者が「自己紹介できない人は生きてる意味がない。」「重い障碍を持った人は生きている意味がない。」っていう風な言い方をしてるんですよ。そういう意味でいうと、その姉の麗奈さんは生きている意味がないのかっていうと…すごく考えて、ただまぁ麗奈さんの存在は貝嶋さんご家族の中では一つの希望になっていると思うし、優紀さんはだからこそ言葉を言ってくれたんだと思うし「何者にも代えられない。」っていう言葉はあの事件に対して、この映画が…反対のメッセージを打ち出したいなぁと思ってすごく答えてくれて聞いてて嬉しかったし、映画のメッセージとして残したかった言葉です。

10/8(日)『もうろうをいきる』西原孝至監督舞台挨拶

-兄弟の見えない絆が見える瞬間というのは、障碍があろうとなかろうとみんなそうだと思うんですよ。なんで兄弟なのか、とか。そういったのに答えられるってなかなかないと思うんで、あれはすごくリアルだなぁって思いました。で、その相模原の事件の事も聞こうと思ってたんですけど、これは撮影中に起きた事件だったんですよね?

西原:一番最初の撮影が8月だったので、まさに北九州行きのチケットを取ったり準備していた時の7月26日未明。相模原市の津久井やまゆり園の事件が起きて、皆さんもそうだと思うんですけど、僕もやっぱり衝撃を受けましたし、何か直接あの事件を描く映画ではないんですけど、あの事件に対して何か命の尊さだったり、生命を肯定するような何かを映画でできないかなぁってすごく考えてて。

-結構ショックだったんじゃないですか?

西原:やっぱりその、コミュニケーションのことをすごく考えて、容疑者は「コミニュケーションができない人間は生きてる価値がない。」って言ってたんですが、今僕らはSNSとかLINEとかTwitterとか、何でもいいんですけどメッセージは簡単に送れるけど、果たして本当に相手とコミュニケーションをちゃんととれてるかな?って事も自問しましたし、そう思うと、盲ろう者のコミニュケーションって本当に直接的で、触手話だったり指点字だったり、触れて何かを感じるっていう、そこに僕らが忘れたものがあるんじゃないかなって思いましたし、映画を通して、是非もうろうの世界を知ってもらいたいという一心でつくった映画です。

-映画の中で触れ合ったりとか、接する瞬間にみんなの顔が生き生きしたりとか、語って喋っている時に生き生きしてて、果たして自分がああいう顔をできてるのかな?って見直させられました。今回はナレーションと、視覚障碍者に声を届ける音声ガイドのナレーションも監督がされたそうですけど(笑)それはどういった経緯でされたんですか?

西原:ナレーションは、最初女優さんとかに、女性の声で読んでもらおうという話をみんなでしてたんですけど、編集がだんだん固まってくるにつれて、いきなり盲ろうの世界を知らない人に読んでもらうのはちょっと違うかなという思いが出て来て、やっぱりその対象と向き合ってきたのは僕らチームだし、しいて言えば監督という僕だし、現場で感じたこととか、作品に込めたいこととかを自分の声で、自分の視点でやったほうがやっぱり作品としてもいいんじゃないかって、まずはナレーションからやりました。

-しかしすごいですね、監督がやるとどうしても「こうしたい」というコントロールが言葉とかに出てきちゃうんですけど、西原監督はそう言ったものを一切排除してできる限り皆さんへバトンを渡すようなナレーションをされているなぁって印象だったんですけど…。

西原:「バトンを渡す」っていいですね。僕もすごくそれを意識していることで、その作品を受け取って完結するっているいろんな映画の形があると思うんですけど、映画を通して、何かまた新しいその人の中での新しいコミュニケーションが生まれたり、続いていくというのが自分も好きだし。他の映画でも。やっぱりそういうのはちょっと反映しているかなって思いました。

-今回は盲ろうだけじゃなくて、視えてても、聴こえてる人でも、落とし込んで、考えさせられて次につながるような映画だなと思います。

西原:音声ガイドも全く素人なので、最初監督が書いた方がいいんじゃないかとなった時は、できるかなぁと正直思ったんですけど、さっきと同じで、撮影隊にしか感じなかったことだったり、そういうことを普段皆さんが思っている音声ガイドとはちがったニュアンスのものになるのかもしれないんですけど、それはそれでまた新しいチャレンジとして、皆さんお馴染みの『光』という河瀬監督作品の監修に入られた方に読んでいただいて、第一稿で提出した内容で「方向性がよく分かりません」と返ってきたりして(笑)そういうのがありつつ…。

-ばっさり(笑)

10/8(日)『もうろうをいきる』西原孝至監督舞台挨拶

西原:さっきも出てきた大河内さんという方も全盲の方なので、そういった当事者の意見だったり、モニター会を開きながら、音声ガイドはまだまだこれからっていうか、僕がいうのもおこがましいですが、完成形がないものだと僕は思っているので。

-僕も思ってます。

西原:何か新たなものをせっかくこういう盲ろう者を撮影させてもらった映画だからできないかなぁと思って。みんなでガイドを書きましたけど。

-音声ガイドをやってみてどうでしたか?

西原:風景を言葉で説明するって…説明していいのか、そこのどれだけ自分のその思いを載せるのか、とか、で、それが『光』じゃないですけど、観る人の想像力を損ねてしまうんじゃないかなぁってそういうバランスがね、難しいと思いながら、普段そのお仕事をされてる方を尊敬します。また次の映画でもチャレンジしてみようと思います。

-めちゃくちゃ楽しみです。ドローン撮影が本当に綺麗な映像で、深いなぁって思うシーンがありましたけれど。あれはもう最初から撮ろうと思ってたんでしょうか?俯瞰的にどんどんどんどん景色が上がっていって、海の全景が出てくるシーンですけど。

西原:ああ、あれは佐渡島ですね。あれは普通に三脚で撮っているんです。

-えっ!?そうだったんですか?

西原:あれは加藤孝信さんというベテランのカメラマンなんです。最初、遠目塚さんのところは僕が自分でカメラを回しているんですけど、どうしても話が聞けないなぁとなったので途中から加藤さんにカメラに入っていただきました。話は飛びますけど、撮影時に、スタッフとも、対象の方ともいろんなお話をしましたし、皆さん結構お酒を飲むのが好きなので(笑)

-えっ?(笑)

西原:この映画を通して盲ろう者は酒飲みなんだなってのがわかりました(笑)

(場内爆笑)

西原:本当に飲みニケーションというか、佐渡島の渡邉洋子さんが、「いつ撮影が終わるんですか?」って言うんですよ(笑)

-いいですねー。

西原:終わった後は「ありがとうございました」ということで皆んなで乾杯させてもらいましたけどね(笑)ドキュメンタリーって、カメラに映っている時間なんですけど、映っている時間以外で、その人がどういう風に過ごしているのかというのがやっぱり映像に映るんだなと思っているので、この映画の前後、まぁメールでやりとりしたりとか、終わった後の飲みとか(笑)大事にさせていただきました。

-めちゃくちゃ楽しそうな撮影現場でしたね。さて、もう10分前になりましたので、皆さんへQ&Aの時間をとりたいと思います。何か質問のある方、いらっしゃいますか?

10/8(日)『もうろうをいきる』西原孝至監督舞台挨拶

お客様A男性:こんにちは。作品を実際に観させてもらって感じたのは「やれることをやんないとダメなのかな」っていうのがすごい伝わって、ああ、すごいみんな一生懸命生きてるなぁっていうのも伝わってきて、健常者という…まぁ普段きてると、何も考えてなかったりするんですけど、その中でもやっぱりやんなくちゃいけないことなのかなぁってすごい伝わりました。

西原:あの方、渋谷のアップリンクのワークショップに出席されてた方ですね(笑)以前僕はそこで講師的な事で呼んでいただいて「今、上映してます!」って声かけしたら今日来ていただいてました(笑)ありがとうございました。

-でもいいですね、気持ちを焚き付けるというか(笑)

西原:映画ってすごいですよね。

-うーん。映画って他の人の疑似体験ですからね。他にある方いらっしゃいませんか?

お客様B男性:興味深いお話どうもありがとうございました。この映画館で、映画を初めて観させていただきまして、私、実家が相模原市で実家がお寺なので、命について考える機会が元々あるにはあったんですが、地元で(事件が)起きたというのもあるんですけど、それ以来障碍について今まで何か自分は全然考えてなかったんじゃないかっていうか、そりゃ、車いすの人を見たら障碍をお持ちの方なんだって分かりますけど、ぱっと見で分からない障碍をお持ちの方もたくさんいらっしゃいますし。それで常にアンテナを張った状態になったといいますか、偶然「あっ、こんな素敵な映画館があるんだ」とか「こんな映画が上映されるんだ」というのを知って、今日も色々と知らない事を学ばせていただいたという感じです。ちょうど私の尊敬申し上げている先輩の方がおっしゃっていた言葉で、誰か偉人の言葉なんですけど「知らない事は罪ではない。知ろうとしないことが罪だ」ってことをおっしゃってて、見て見ぬ振りして知らんぷりしてしまえばなんともないなのかもしれないけども、盲とか聾の方の世界ですとか、知ろうとすればこんなに豊かな世界があるのに知ろうとしなければ全く知らないでいる人がたくさんいらっしゃると思うので、ぜひこういった映画を色々な人に、この映画館を含めて私も伝えていきたいと思います。皆さん是非映画も広く撮り続けていっていただけたらなと…質問でなくてすいません。ありがとうございました。

-ありがとうございます!嬉しいですね。1人で何かやろうとすると、何か怖くて、やっぱり今みたいにアップリンクで知り合った方がここにいらっしゃるとか、お寺をやってらっしゃるとか、そういう方と一緒に観て、一緒に感じられると、また何か次の新しい扉を開けるきっかけになるんじゃないかなと思っています。他に誰かいらっしゃいませんか?なんでもいいですよ(笑)

10/8(日)『もうろうをいきる』西原孝至監督舞台挨拶

お客様C男性:ありがとうございます。今日印象に一番残っているのが、川口智子さんの「私は耳が聴こえるように今度生まれ変わりたい」ということで、涙を流されて、今までの聾文化というものが今までそういった人が「聾で良かった」という人しかいなかったけれども、というところが、この映画でかなりのテーマになっているんじゃないかと思うんですけど。それを監督さんの方からあれを撮って、通訳の方が涙を流したっていうのは、どんな感じだったんですか?

西原:そうですね、おっしゃっていたシーンはすごく僕も大事なシーンだと思っていて、通訳者の梶さんとしては、今おっしゃったみたいに聾文化というものがすごくあって、聾であるからいいとか、なんとかだからいいということを超えて、川口さんは本音をカメラの前で語ってくれたことに対して僕はすごく驚いたし、同時に嬉しかったんですけど、まぁ梶さんはそこに対してまぁ動揺というか、そのような感情の表現になってしまったのかなぁと思っていますが、梶さんともお話しして…というのも、通訳者としては、通訳中に自分の感情を外に出してしまうことはやってはいけないことらしくって、だからをれを映画に残すってことも、梶さんは最初、ちょっと渋ってたというか「どうなんでしょう?」となっていたんですけど、梶さんのその感情が動いていることも含めて、すごく大事な言葉を川口さんから聞けたと思うので、是非映画に残させてほしいっていう話をして、今このように上映させていただいてるんですけど。ただ、すごく、重い話だと思うし、批判を受けるかもしれないシーンでもあるかもしれないと思うんですけど、僕としては、やっぱり川口さんが自分の心の中を語ってくれたっていうのは、映画の中にやっぱり残したいって思いがありました。

お客様C男性:ありがとうございました。

-泣いちゃったシーンを観て、それがこう自分の価値観って、どうなんだろうみたいなことを突き詰められたみたいな。自分の価値観次第で、聾の人が結構、「聴こえなくても大丈夫」って人に結構出会ってきたんですよね。だけどやっぱりああいう人も居るって、何を見るのか、何を感じるのか、どのステップなのかはそれぞれ人によって違うんだなって感じました。

西原:そうですね。パンフレットにも福島智さんが寄稿してくださってて、その中で川口さんのことがでてるんですけど、昔その黒人の権利の向上運動を引き合いに出して「Black is beautiful」という、彼らが言ってた言葉ですね。「黒人は美しい」って。でも福島さん曰く、黒人だから美しいというのではなくて、人はそれぞれ美しいんであって、何かそういうことを超えて色々あるけれども、でもやっぱり自分はこう思うというのをやっぱり川口さんは話してくれたんだなと思って、映像に残したいなぁって思いましたね。

-もうお時間が残り少なくなってしまったんですけど、最後に何かメッセージをお願いします。

西原:はい。自己紹介を忘れましたが、30代健常者の西原です(笑)さっきのメッセージやコミニュケーションの話につながるんですけど、やっぱり人は1人では生きていけないけから、みんなとつながって生きているわけで、そういうところも盲ろう者の世界をみることで再認識したし、何かぼくもこの盲ろうの世界ともっとつながりたいと思ったし、これをきっかけに盲ろうの世界を知った人には是非、例えば研修会でも何でもいいいですし、遊びに来てもらうのもいいですし、この映画を勧めてくれるのもいいし、白杖を持った方とコミュニケーションをとるとか、そういったことでちょっとずつ変わっていけばいいなと思っていて、今、個人が大事にされてない世の中にだんだんなっていると思うので、やっぱり映像をつくっている人間としては、それに全力で抗っていきたいと思いますし、映画を見てくれた人がちょっと優しくなれるような気持ちになって帰ってくれたらいいなと思ってます。

-今日はお客さん、みんなどうありたいのかを顔からすごく発してくれている気がして、僕は逆にお客さんに来ていただいて、監督にも来ていただいて本当にありがたく思っています。

西原:3連休の中日に(笑)皆さん色々予定があるでしょうが、すいません。ありがとうございます!

-本日は西原監督にお越し頂きました。本当にありがとうございました。

(場内拍手)

西原:ありがとうございました。

10/8(日)『もうろうをいきる』西原孝至監督舞台挨拶

『もうろうをいきる』は、水曜日をのぞく毎日16:40からシネマ・チュプキにて上映しています。是非ご鑑賞ください。西原孝至監督、ご登壇ありがとうございました。

【関連リンク】
映画『もうろうをいきる』オフィシャルサイト
全国盲ろう者協会
非営利法人バリアフリー映画研究会(大河内直之さんが理事長を務める団体)

2017年10月13日 | Posted in | | Comments Closed 

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